帯状疱疹ワクチン
・帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じ水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で起こる皮フの病気です。
日本人の多くは幼少期に水ぼうそうにかかっているため、90%以上の方はこのウイルスが体内に潜んでいます。
加齢や過労などで免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが活性化し、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるとされます。
・帯状疱疹後神経痛
50歳以上で帯状疱疹になった方のうち約5人に1人は、3か月以上痛みが続く帯状疱疹後神経痛を伴うとされます。
帯状疱疹の発見が遅く、治療開始が遅れると帯状疱疹後神経痛を伴いやすいとされます。
・帯状疱疹ワクチン
発症予防効果を期待するワクチンです。
ワクチンには、大きく不活化ワクチンと生ワクチン(弱毒化ワクチン)に分けられます。
不活化ワクチン:ウイルスや細菌の毒性や感染力を不活化、殺菌してなくしたもの、または細菌やウイルスの成分(タンパクや遺伝情報など)でつくったワクチン。複数回接種が必要となることが多い。
生ワクチン(弱毒化ワクチン):ウイルスや細菌の毒性や感染力を弱めてつくったワクチン。妊婦や免疫が低下した人では接種できない。
帯状疱疹ワクチンにも不活化ワクチン(組換えワクチン シングリックス)と生ワクチンがあります。
シングリックスは2回接種が必要ですが、帯状疱疹の予防効果はシングリックスの方が高いとされています。
シングリックスの帯状疱疹発症予防効果は、50歳以上で97.2%(追跡期間3.1年)、70歳以上で89.8%(追跡期間3.9年)とされ、長期の予防効果も89.0%(平均9.6年)とされています。
帯状疱疹後神経痛発症リスク減少効果は、50歳以上で100%(追跡期間4.1年)、70歳以上で85.5%(追跡期間3.9年)とされています。
※シングリックスは2回の筋肉注射が必要です。1回目の接種から2か月の間隔をあけて2回目の接種を行います。
このような結果から当クリニックでは、効果の高いシングリックスの接種を推奨しております。
接種をご希望される方は、あらかじめ電話でご連絡ください。
・定期接種
2025年4月以降は、定期接種となります。
助成対象期間:2025年4月1日から2026年3月31日接種分。1回目を2025年1月までに接種する必要があります。
自己負担額:組換えワクチン1回につき6,600円
2025年度の対象者は以下の方です。
・65歳を迎える方
・65歳を超える方については、5年間の経過措置として、年度内に70、75、80、85、90、95、100歳となる方
・60歳以上65歳未満の者であって、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
100歳以上の方については、2025年度に限り全員対象となります。